第13話 =バスキングピッチ=

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BGM

最近バスキングピッチに異変が起こっている。ちょっと前までは半円形の小さなステージらしきものが、バスキングピッチとして設置してあったのだが、今はそれが全部撤去されている。なぜかというと、ロンドン地下鉄のバスキングをサポートしてくれていたスポンサーが降りてしまったのだ。

全ての業務は今まで通り行われるので心配はいらないとのことだが、バスカー達からみれば、スポンサーが降りたという事実はけして気持ちのいいものではない。これからは、ロンドン地下鉄が独自に運営していく方針らしいが、イギリスのお国柄を考えると、スポンサーがついてない今、いつ突然バスキングの制度が無くなってもおかしくない。

ということで、最近は何も書いてない通路でバスキングをしている。一応壁にはそれらしいポスターみたいなものは貼ってあるのだが、以前のような「ここはバスキングピッチです!」みたいな場所ではないので、僕もちょっと困惑してやっている。通行人にしても、演奏が聴こえてこないとバスカーに気づかなかったりするので、チューニングしている時や、ちょっと飲み物をのんでいる時など、ぶつかったり、びっくりしてしまう人もいる。

なんとなく不安というかやりにくい。

今日、帰り道、ビクトリア駅を通りかかった時、かなり昔(ライセンス制度が出来る前)からいるイギリス人のバイオリニストが演奏していた。なんと彼はソシアルダンスでもしているかのごとく、軽やかなステップで縦横無尽にスルスルと移動しながらバイオリンを弾いているのだ。

バスキングピッチとして小さなステージがあった時は、そこから出てはいけないという規則があった。僕としては自分の縄張りが決まっているようでやりやすかったのだが、ライセンス制になる前からやっているバスカー達にしてみれば窮屈な感じがしていたのかもしれない。

スポンサーも降りてステージも無くなってしまった事を不安に思ってた僕に、バイオリニストは生き生きと言い放った。

「気持ちいいね~、枠が無くなって自由に動けるよー!」



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