第11話 =便利屋稼業 その2=

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渡英前の便利屋の話が、一部の読者にウケたみたいなので、今度は僕自身の体験談から一つ紹介します。

ある日、蜂の巣退治の依頼が入った。蜂の巣退治などしたことはなかったが、こちとら便利屋である。出来ませんと言って断るわけにはいかない。まあ都心の蜂の巣などたいしたことないだろうと思い、調子こいて引き受けてしまった。

当日、Tシャツにジーパンの軽装で玄関に現れた僕を見て、依頼人のおばさんは怪訝そうな顔で言った。

「あんた、そんな格好で大丈夫なの? 蜂の巣とか捕った事あんの?」

「ない…」 けどそんなことは言えない。なんせ便利屋である。

「いやー、いつもやってますよ。こんなの慣れっこなんで、防虫アミとかなくてもへっちゃらですよ」とへらへら応対する僕。というか、蜂の巣捕りの道具など始めから無い。

とりあえず、その蜂の巣とやらを見せてもらうことにした。

見た瞬間、目が点になった。

直径50~60cmはあるだろうか、まわりを巨大なスズメバチがブンブン飛び回っている。あんなのに刺されたらたまったもんじゃない。命にかかわるかもしれない。んー、シャレにならん(汗)。

しかし便利屋である。「出来ません」と言って帰るわけにはいかない。

僕はおばさんに黒い大きなゴミ袋を用意してもらい、それを使ってなんとかしようと策を練った。おばさんも心配そうに見ている。しかし策などまったく思いつかない。

これは気合いと根性だけでスズメバチに戦いを挑むしかないようだ。とにかくあまり長時間ウダウダしているとおばさんに怪しまれる。うーむ、これはやるしかない。

僕はゴミ袋をむんずとつかむと「アチョー」というかけ声と同時に網戸を開け、そのままスタスタと蜂の巣の下まで歩いていき、ゴミ袋をいっきに巣にかぶせ、巣の根元を「ボキッ」と折り、そのまま鼻の穴をおっぴろげながら蜂の巣の入ったゴミ袋を持って家の中に戻り、網戸を「ピシッ」と閉めた。時間にして数秒。

おばさんは「奇人変人」でも見るかのように口をあんぐりとあけて僕を見ている。

スズメバチ達も僕のあまりのおもいっきりのよさに唖然としたのか、ブーンブーンと何ごともなかったように、もと蜂の巣があったあたりを飛んでいる。

心臓がバクバクして顔面がピクピク震えてたが、気づかれてはいけない。何度も言ってるが、なにせ便利屋である。

口あんぐりのおばさんから料金を受け取ると、「楽勝でしたよ、また宜しくお願いしま~す!」と颯爽と帰った。

う~、マジで寿命が縮む思いだった(大汗)。



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